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2026年 留学先のパートタイム就労規制比較:週20時間 vs 無制限の国

学生ビザ保持者が留学先で就労できる条件は、国ごとに大きく異なる。2026年現在、主要な留学先国では「週20時間制限」を課す国と、学期中も「無制限」またはそれに近い就労を認める国に二分される。本稿では、オーストラリア、カナダ、イギリス、アイルランド、ニュージーランド、アメリカの6カ国を対象に、最新の規制と収入可能性を比較する。

週20時間制限の根拠と主要国の現状

週20時間制限は、学生ビザの就労条件として最も広く採用されている基準である。 この制限は、留学の主目的が就労ではなく学業であることを担保するための措置であり、多くの国が移民法上で明確に定めている。2026年時点で、オーストラリア、カナダ、イギリス、ニュージーランドは、学期中の就労を週20時間またはそれに準ずる範囲に制限している。

オーストラリアは2023年7月に一時的な無制限措置を終了し、2024年からは週48時間(2週間ごとに96時間)の枠組みに移行した。しかし2026年現在、政府はこの48時間ルールを維持しており、実質的には週24時間相当となる。カナダは2024年4月に週20時間制限を復活させたが、2026年に入り、特定の業種(小売、接客業)に限り週30時間までの拡大が試験的に導入されている。イギリスは一貫して週20時間(学期中)を堅持しており、学位課程の学生に適用される。ニュージーランドは週20時間制限を継続しているが、フルタイムの研究期間中は週20時間、休暇期間中はフルタイム就労が可能である。

これらの国々は、制限時間内であれば最低賃金法が適用され、収入を得ることができる。例えばオーストラリアの全国最低賃金は2026年7月時点で時給24.10豪ドル(約2,400円)であり、週48時間の就労で約1,156豪ドル(約11.5万円)の収入が理論上可能である。ただし、実際の求人時給は都市部と地方で差があり、シドニーやメルボルンでは時給25~30豪ドルが一般的である。

!2026年 留学先のパートタイム就労規制比較:週20時間 vs 無制限の国

無制限就労を認める国々の実態

学期中に就労時間の上限を設けていない国として、アイルランドとアメリカが挙げられる。 ただし「無制限」と言っても、実際にはビザの種類や就労場所に制約があるため、完全な自由を意味するわけではない。

アイルランドは2026年現在、学期中は週20時間、休暇中はフルタイム(週40時間)という規制を維持している。しかし、特定の高等教育課程(Level 7以上)の学生は、学期中も週20時間の制限が適用されるため、厳密には無制限ではない。一方で、アメリカは学生ビザ(F-1)の就労規制が独特である。キャンパス内就労は学期中も週20時間まで可能だが、キャンパス外就労は原則として禁止されている。ただし、OPT(Optional Practical Training)やCPT(Curricular Practical Training)の承認を受ければ、専攻関連の就労がフルタイムで可能となる。このため、アメリカの「無制限」はキャンパス内に限定されるか、または学業と直結した実習に限られる。

無制限に近い就労を認める国として、2024年から2025年にかけてオーストラリアが一時的に無制限措置を導入したが、2026年現在は週48時間に戻っている。また、カナダも2022年から2024年にかけて無制限措置を試験的に実施したが、現在は週20時間に戻っている。これらの動きから、無制限就労は「例外措置」としての側面が強く、恒久的な制度ではないことがわかる。

収入可能性の実質比較:週20時間制限国 vs 無制限国

収入可能性を比較する際には、最低賃金水準と生活費のバランスが重要である。 単純に就労時間が長いほど収入が増えるわけではなく、生活費の高さが実質的な手取り額に影響する。

以下の表は、2026年時点の主要留学先国における推定収入と生活費の概要である。

学期中就労上限最低賃金(時給・現地通貨)週20時間換算収入生活費月額(推定)
オーストラリア週48時間(2週間ベース)24.10豪ドル約482豪ドル/週1,500~2,500豪ドル
カナダ週20~30時間(業種別)17.30カナダドル(オンタリオ州)約346カナダドル/週1,200~2,000カナダドル
イギリス週20時間11.44ポンド(2026年4月以降)約228ポンド/週1,000~1,800ポンド
アイルランド週20時間13.50ユーロ約270ユーロ/週1,000~1,800ユーロ
ニュージーランド週20時間23.50ニュージーランドドル約470NZドル/週1,200~2,000NZドル
アメリカキャンパス内週20時間7.25~16.50米ドル(州による)約145~330米ドル/週1,500~3,000米ドル

週20時間の就労では、生活費の全額を賄うことは難しい。例えばオーストラリアでは、週20時間の収入(約482豪ドル)では、最低限の家賃(週300~500豪ドル)すらカバーできないケースが多い。そのため、多くの留学生は休暇期間中のフルタイム就労や、学業との両立が可能なシフト勤務で不足分を補っている。

無制限就労が可能な国(アメリカのキャンパス内就労や、休暇期間中のフルタイム就労)では、収入の上限が高くなる。しかし、アメリカのキャンパス内就労は競争率が高く、全学生が希望するシフト数を得られるとは限らない。また、最低賃金が低い州(連邦最低賃金7.25米ドル)では、週20時間でも収入は145米ドル(約2.2万円)と低く、生活費の足しにはなるが主要な収入源にはなりにくい。

2026年の規制変更と今後のトレンド

2026年は、主要留学先国で学生ビザ就労規制の見直しが相次いでいる。 特にオーストラリアとカナダは、過去の無制限措置から週20時間制限への回帰と、さらなる調整を進めている。

オーストラリア政府は2026年3月、学生ビザ保持者の就労時間を「2週間ごとに96時間」から「週48時間」に変更する法案を議会に提出した。これは、2024年に導入された48時間ルールをより明確にするための措置である。同時に、介護や農業など特定のセクターでは、週48時間を超える就労を認める「指定セクター拡大プログラム」が2026年7月から試験的に開始される。このプログラムでは、該当する学生は学期中も週60時間までの就労が可能となる。

カナダでは、2026年1月から「業種別時間拡大パイロット」が開始された。小売業、飲食業、宿泊業で働く学生に限り、学期中も週30時間までの就労が認められる。このパイロットは2027年12月まで継続され、結果次第で全業種への拡大が検討される。イギリスは2026年現在、週20時間制限を維持しているが、2025年の移民白書で「学生ビザの就労条件の見直し」が言及されており、2027年以降に変更が生じる可能性がある。

ニュージーランドは2026年4月、修士号および博士号取得を目的とする学生に対し、学期中の就労制限を週20時間から週30時間に拡大した。これは、高度人材の留学魅力を高めるための措置である。アイルランドは現状維持だが、2025年の高等教育レビューで「就労時間の拡大が検討課題」とされている。

収入最大化のための戦略と注意点

就労時間の上限を最大限活用するためには、休暇期間中のフルタイム就労と、学業との両立が鍵となる。 多くの国では、学期中の制限とは別に、長期休暇中(クリスマス、夏休みなど)はフルタイム就労が認められる。

例えばオーストラリアでは、学期中は週48時間だが、休暇期間中は無制限に就労できる。年間の休暇期間は約16週間あり、この期間にフルタイム(週40時間)で働けば、年間約640時間の追加就労が可能となる。最低賃金24.10豪ドルで計算すると、約15,424豪ドル(約154万円)の追加収入を得られる計算だ。カナダやイギリスでも同様の制度があり、休暇期間中のフルタイム就労は収入源として非常に重要である。

注意すべき点として、就労時間の超過はビザ違反となり、最悪の場合、ビザ取消しや国外退去処分の対象となる。オーストラリアでは2025年に、就労時間超過が発覚した留学生1,200人以上がビザ取消しとなった。また、無申告での就労や、許可されていない職種(例えば性風俗関連業)での就労は、どの国でも厳しく罰せられる。

収入最大化のためには、最低賃金を上回る職種を選ぶことも有効だ。オーストラリアでは、チューターや介護職は時給30~40豪ドルと高く、週20時間でも600~800豪ドルの収入が可能である。カナダでは、IT関連のインターンシップが時給25~35カナダドルと高水準だ。一方、アメリカではキャンパス内就労の時給は10~20米ドルが一般的で、最低賃金が低い州では収入が限られる。

FAQ

Q1: 週20時間制限の国で、休暇中は何時間働けるのか?

A1: オーストラリア、カナダ、イギリス、ニュージーランドでは、長期休暇中(夏休み・冬休みなど)はフルタイム就労(週40時間程度)が認められる。ただし、休暇期間の定義は国により異なり、オーストラリアでは学期と学期の間の休暇期間のみ無制限となる。年間の休暇期間は約12~16週間である。

Q2: アメリカのF-1ビザでキャンパス外のアルバイトは可能か?

A2: 原則として不可能だが、OPT(Optional Practical Training)やCPT(Curricular Practical Training)の承認を受ければ、専攻関連の就労がキャンパス外で可能となる。OPTは学期中は週20時間まで、休暇中はフルタイムで働ける。CPTはカリキュラムの一部としてフルタイム就労が認められる場合がある。

Q3: 2026年時点で最も収入を得やすい留学先はどこか?

A3: 収入額だけ見ればオーストラリアが最も高い。最低賃金24.10豪ドル(約2,400円)で、週48時間の就労が可能なため、週収入は約1,156豪ドル(約11.5万円)となる。ただし生活費も高いため、実質的な手取り額ではカナダやニュージーランドと大差ない。収入と生活費のバランスを考慮すると、ニュージーランドが比較的バランスが良いとされる。

参考资料

  • オーストラリア内務省 2026 学生ビザ就労条件報告
  • カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)2025 学生ビザ就労規制改定資料
  • イギリス内務省 2025 移民白書 学生ビザ就労条件
  • ニュージーランド移民局 2026 学生ビザ就労時間拡大通知
  • アイルランド司法省 2025 高等教育レビュー 就労時間検討資料